共働きの住宅戦略
我が家は郊外の一戸建てです。昨年引っ越しました。職場までは電車で1時間弱。
それまでは都心のマンションに住んでいました。こちらは職場まで徒歩10分。大小の病院やスーパー、飲食店が徒歩圏内で、非常に便利な環境でした。
ただ、二人目の子どもの出産を控え、マンションのままではやや手狭になるのではということになり、そこから住み替えの検討を始めました。
戸建てを希望したのは私です。妻は、利便性を考えると「絶対に」職場に近い都心のマンションがいい、と主張していましたが、議論の末、最終的には私が押し切るカタチで戸建ての購入に至りました。
戸建て、マンションについてのお互いの主張は以下のとおりです。
私の主張:郊外戸建てのメリット
- 音を気にしなくていい(乳幼児の泣き声など)
- 駐車場や管理費などの「掛け捨て」の費用が少ない
- 将来、建物が老朽化しても「土地」という資産が残る
- マンションの管理組合に参加する手間が不要
- 大規模修繕や建替などの時期に住民間で揉めるリスクがない
やはり小さい子どもがいる間は、音は気になります。特に、乳幼児のいる家庭では戸建ての方が泣き声をそこまで気にせず過ごせるため、気がラクです。
また、マンションでは修繕や建替えを合議で決めることもありますが、自分たちが年をとればより負担に感じるでしょうし、住む人の年齢層や収入などにバラつきが出れば、合意形成は困難なものとなるでしょう。実際に住んでいたマンションでも、規模の小さいマンションにも関わらず、理事会はたびたび紛糾していました。
一方で、妻の主張:都心マンションのメリット
- 職場、保育園、自宅の距離が近く、移動時間を短縮できる
- 引越しや転職の場合に売却しやすい
- ゴミ出しや宅配便受取などの面で便利
移動時間や雑務の短縮は確かに大きなメリットです。日々時間に追われる身としては、数分、数十分の差がとても大きな違いに感じられます。
人口減少が進みつつあるこの日本で、将来の土地にどれだけの価値が残っているのか、今の会社で定年まで働きつづけられると思うのか、という妻からの反論もありましたが、ごもっともです。
結局、最後まで、都心マンションにすればよかったかなぁと半分後悔に近い感情に駆られていました。
そして今、実際に住んでみての感想。
戸建てとマンション、どっちがよかったかと言われれば、正直分かりませんが、子どもが部屋の中を楽しそうにバタバタ走り回ったり、歌を歌ったりするのを見ていると、これでよかったのかも、という気はしています。
おそらく当面は今の戸建てに住みつづけるでしょう。
ただ、買い替えていい、と言われれば、都心のマンションを選ぶかもしれません。
人生で次に住宅について考えるとすれば、それは子どもたちが巣立っていくときでしょうか。そのときには、部屋の数ももっと少なくていいし、坂の多い今の地域では足腰が厳しいかもしれません。
住宅戦略という意味で最も賢いのは、ライフステージや子どもの人数、年齢に応じて、住み替えていくことかもしれません。
例えば、共働き夫婦二人+小さい子どもであれば、都心のマンション、子どもが増えたり小学校に上がる頃には郊外の戸建て、子どもが巣立てば再び都心のマンション、というように。
もちろん家を買うには、大きなお金が必要になるので、気軽に住み替えという訳にはいきませんが、人生の出口戦略として意識しておいてもいいのかもしれません。
なお、ここでは賃貸の話は度外視してますが、賃貸vs戸建ての議論については、またどこかで考察してみたいと思います。