仕事も家事も100点は無理

働き方改革だ、ワークライフバランスだ、と日本人の「長時間労働」と「生産性の低さ」を改善しようとする動きは高まっていますが、「そうは言っても。。。」というのが日本企業で働く多くの方の実感だと思います。


実際、私も頭の中では「残業はできるだけ少なく」、「家族との団欒を大事に」といったことが「良いこと」だと分かってはいるものの、一方で「残業時間が少ないとマイナス評価になるかも」「飲みに付き合わないと仕事上で不具合があるかも」といった不安にかられることがよくあります。


上司や同僚を見ても、この「長時間労働=正義」「付き合いの良さ=出世の条件」といった「昭和的な」マインドを捨て去ることができず、終業間際に「明日の朝までに調べといて」という業務指示をしたり、「あいつは付き合い悪いからダメだ」など言ってのけたりという光景は良く見られます。


かくいう私も20代半ばまでは、誰よりも早く会社へ行き、誰よりも会社に残り、時には休日のサービス残業も厭わず、滅私奉公を地で行くような働き方をしていました。


しかしながら、外資系企業に勤める妻が出世し、私との収入格差が広がるにつれ、私が思いっきり働き、妻は家事をする、という構図は、我が家には向かないものに思えてきました。

そしてそれは、子どもが産まれ、育児家事で時間に追われるようになってからは、より強く意識されるようになりました。


つまり、家庭として収入を最大化するためには、労働単価の低い私(夫)がより多くの家事を負担する一方で、労働単価の高い妻はできる限り速やかに復職し、成果を上げて稼ぐのが合理的な判断ということです。


ただ、これはあくまで「収入の最大化」だけを目的とした場合の考え方であって、それぞれの家庭で重視するものはそれぞれだと思います。


例えば「母親と子の時間を大事にしたいから」という理由で収入が高くても妻が育休を取る、とか、「夫婦一緒に育休を取って家族で旅に出る」というのもあり得るかと思います。


共働き家庭では、家事・育児、仕事、出世など、すべてで100点を取ることは極めて難しいと思います。何を選び、何を諦めるのか、それは家族として「何を大事にするか」が明確にすることで、自ずと答えが見えてくるのかもしれません。